この記事は下記の記事の補足です。

この記事では√2が無理数であることを証明します。
前提知識
そもそも論:無理数ってなんや
まず大前提として無理数って何?ってことからスタートします。
たぶんもう忘れている人も多いと思いますが、有理数というのは分数で表せる数のことです。
数学的に書くと(嫌われそうですが)a=m/n(mとnは互いに素)という状態です。
互いに素っていうのはもう約分しつくしたよ、っていう意味です。つまり5/10とかはまだ約分できるので1/2までやったよ=mとnにはもう共通の約数(割り切れる数)がないよということです。
一方、無理数というのはこの逆です。つまり分数で表せない数のことです。
背理法
次に今回の証明で使う背理法について簡単に説明します。
背理法というのは”こう仮定する”という勝手な決め事を作って、それが論理破綻したから=仮定が間違っていたという証明方法です。
より詳細には対偶という考え方を用いるのですが、ここでは省略します。
ちなみに数学の世界では背理法は嫌われ者です。テクニックとしては優秀なんですけどね。
もう一つだけ、2乗が偶数だと元の数も偶数
最後にもう一つだけ前提知識としてxの2乗が偶数だとxも偶数という事実は当然のように扱います。
(証明するのは簡単なのですが)2乗というのは同じ数を2回かけたものなので、偶数×偶数は偶数、奇数×奇数は奇数(いくつか試してみてください)ということで2乗が偶数だと元の数も偶数です。
また、表記の問題としてmの2乗のことをm^2と書くのでご了承ください。
以上、前提知識はこれだけです!(並べてみると意外とありました…)
証明
√2が有理数と仮定します。すると√2=m/n(mとnは互いに素)
両辺を2乗すると2=m^2/n^2
よって、m^2=2n^2です。つまりmは偶数であることがわかりました。
ではm=2l(mとlは互いに素)とおいて代入してみると
√2=2l/n
再び両辺を2乗すると2=4l^2/n^2
よって、n^2=2l^2です。つまりnは先ほどと同様の理由で偶数であることがわかりました。
さて、ここでこの仮定ではmとnはどちらも偶数であることが示されたわけですが、これはmとnが互いに素であることに反します。(mもnも2を約数に持つため)
よって、「√2が有理数である」という仮定が間違っていた、つまり√2は無理数であることが証明されました。
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