土木技術者の転職事情(公務員/インフラ/ゼネコン/建設コンサル)

資格
うみほたる
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今回は土木技術者の転職事情について、実態を説明していくよ。

うみほたる
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土木系でファーストキャリアを積んでいる人なんかには是非参考にしてもらえればと思います。

ちなみに転職活動のすゝめという記事を以前に書いていますので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。

この記事ではこんなことが得られます。

  • 土木技術者としてのファーストキャリアの概略
  • それぞれファーストキャリアの業種別の転職

自己紹介

うみほたる
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最初に簡単に自己紹介しておくよ。詳細はプロフィールページとか見てね。

僕は理系大学で土木工学を専攻し、大学院修士課程を修了した後、インフラ系企業の土木技術者として就職しました。ちなみに専門は水理工学(河川)です。

ここでいうインフラ系企業というのは鉄道、電気、ガスなどのインフラを管理している会社と思ってください。

そこで約7年間勤務した後、別の会社に転職しました。また、7年間の間には国土交通省への出向を経験しております。

7年間のキャリアの間で、2級土木施工管理技士、1級土木施工管理技士、技術士補の資格を取得しています。

より詳細はプロフィールページを是非ご覧ください。

土木技術者の転職事情

ここでは土木技術者を次の4種に分類して解説していきます。土木技術者としてのファーストキャリアというのは結構画一化されていて、概ねこの4種でカバーできると思います。

  • 公務員
  • インフラ系企業
  • ゼネコン・サブコン
  • 建設コンサル

僕自身が経験しているのは2つ目のインフラ系企業のみ(一部公務員も)ですが、大学の同級生や前職の同僚の転職事情などで知り得た情報などを元に今回の記事を執筆します。

それぞれの関係性

本題に入る前に上記4者の関係性をざっくりと絵にしてみました。上2つはいわゆる”発注者”で下2つは”受注者”になります。ゼネコン等はさらに業務を細分化して下請け企業に発注することも多いので、厳密に言うともう少し複雑になりますが、おおまかにこんな感じと思ってもらってOKです。

公務員

土木系の就職先として多いのが公務員です。やはり土木というと公共性の強い分野で、国家公務員として国土交通省や環境省といった省庁に入る、あるいは地方自治体の土木職(ある程度大きい自治体であれば大抵土木職の採用枠があります)に就職することも多いです。

僕の2つ上の先輩(B4のときのM2の先輩)は5名中4名が東京都庁に就職するという偏りを見せておりました。

結論から言うと、公務員から公務員以外への転職というのは極めて厳しいです。それは正直言って国家公務員でも地方公務員でも同じです。

というのも公務員としての仕事というのは自らの自治体で管理しているインフラ構造物の管理が主であるため、他への汎用性が極めて低い業務であることが一番の理由だと思っています。内部の事務処理の技術は向上するものの、外部で通用するスキルは身に付きにくいです。

また、地方公務員の場合は地元への帰属意識などで就職先を選んでいることが多いため、そもそも転職先の候補が少なくなってしまうという理由もあると思います。

公務員の場合、転職をするのであればスキルの向上はあまり見込めないため、ポテンシャル採用の可能な若手のうちに決断する必要があるでしょう。

インフラ系企業

インフラ系企業も公務員と同じくいわゆる”発注者”の括りに属する業種です。

インフラ系企業の場合の転職先は大きく2つです。1つは公務員、特に現在働いている都道府県庁などへの転職や地元の自治体に戻るパターン。もう1つは同業種への転職です。

同業種というのは例えばJR東日本からJR西日本だったり、東京電力から関西電力への転職といった具合です。前職の経験をフルに活かせる上、場合によってはキャリアアップも可能です。

他にはゼネコンや建設コンサルへの転職というのも場合によっては十分可能だと思いますが、スキルがあまり評価されない分、保有している資格などが転職成否を決めるカギになると思います。

僕の転職時の例では同業種・同職種への転職はそもそも考慮していなかったのですが、1級土木の資格をアピールポイントにいくつかゼネコンや建設コンサルから声がかかりました。

ちなみに他業界も含めて僕の経歴で断トツで注目されたのが国交省への出向経験だったのはかなり悲しかった思い出です。

ゼネコン・サブコン

土木系の就職先として、最もイメージしやすいのがこのゼネコン・サブコンではないかと個人的には思っています。

大手のゼネコンというといわゆるスーパーゼネコンと呼ばれている鹿島建設、清水建設、大林組、大成建設、竹中工務店があり、それに次ぐ準大手ゼネコンとして、戸田建設、五洋建設、前田建設工業、安藤ハザマといった企業が名を連ねます。

ゼネコンは設計職と施工管理職で大きく事情が異なりますが、設計職は建設コンサルに近いものとみなし、施工管理職を前提にしたいと思います。

結論、ゼネコンからだと他全てに転職が容易または可能です。ただし、別の業界への転職という意味では公務員、インフラ系企業と同様に非常に厳しいと思います。

ゼネコン→公務員、インフラ系企業はよく見ますし、ゼネコンから建設コンサルに移る事例も多く見かけます。また、ゼネコン同士の引き抜きのようなことも行われているようです。

建設コンサル

建設コンサルという言葉に馴染みがない方も、もしかしたら多いかもしれません。

建設コンサルとは土木構造物の設計(トンネル・橋梁・基礎・道路など)、各種調査(土質・水質・環境など)、測量などを行います。また、多くの建設コンサルでは発注者側の補助業務も行っています。

有名どころでは日本工営、建設技術研究所(建技)、オリエンタルコンサルタンツ(オリコン)、パシフィックコンサルタンツ(パシコン)、八千代エンジニアリングなどがあります。

担当する業務内容によりますが、基本的に激務でタフさが求められます。

建設コンサルの場合は設計、調査などのスキルが身につくため、これまで挙げた中では最も転職の幅が広く、完全に別業界への転職も場合によっては可能である傾向にあります。

建設コンサル→公務員やインフラ系企業はもちろん、建設コンサル→他の建設コンサル、ゼネコンや他業界の専門コンサルへの転職例もしばしば見ます。

他業界の専門コンサルというのは例えば東京海上日動リスクコンサルティングなどのような保険会社系のコンサルなどです。

注意点:軸ずらし転職がしにくい

僕が土木技術者としてのファーストキャリアから転職をしようと決意し、実際に転職活動をした上で思ったことが、軸ずらし転職の難しさでした。

軸ずらし転職とは例えばインフラ系企業の土木技術者が別業種の営業職に転職したいと考えた場合、一気に業種も職種も変えるというのはハードルが高いため、業種または職種を変更し、その後残った方を変更する形で2回以上の転職で理想を実現する方法です。

先ほどの説明を読んで気づいた勘のいい方もいたかもしれませんが、今回説明した土木技術者としての4つのキャリアにおいて、共通するのは全て職種が土木技術者であるということです。そして、転職事例として示したのは全て”業種”の変更の可否についてで、”職種”の変更の可否については触れませんでした。

それは僕の経験から物凄くこの”職種”の変更のハードルが高いためです。

では僕がどうやってこのハードルを越えたのかは、別の機会に詳細に説明したいと思います。

まとめ

以上、今回の記事の内容を簡単にまとめます。

土木技術者としての就職先のうち、公務員とインフラ系企業はいわゆる発注者としての仕事となり、どちらも同業種以外への転職難易度は非常に高いです。ただし、インフラ系企業から公務員というのは十分可能です。

一方で、ゼネコン・サブコンと建設コンサルはいわゆる受注者側の仕事となり、かなりタフな環境であることは事前に知っておいた方がよいと思いますが、同業種への転職はもちろん、発注者側への転職事例も多数あります。

ただし、他業種の業界への転職というのが非常にハードルが高くなりがちで、話題の軸ずらし転職もしにくい傾向にあるというのが実体験から来る感想です。

また、総じて、土木技術者としての仕事はハードワークになりがちです。昨今の働き方改革で最も進んでいない業界というのが土木・インフラ業界だそうです。それでも数年前と比べると徐々に改善はされてきているようです。

うみほたる
うみほたる

最後までお読みいただきありがとうございました!何かわからないことがあればコメント欄で教えてください!

コメント

  1. ぼしこ より:

    こんにちは、現在ゼネコン にて土木設計をしている者です。うみほたるさんは外資系の営業職に転職されたそうですが、建設業界での転職は考えなかったのでしょうか?

    • うみほたる うみほたる より:

      ぼしこさん
      コメントいただきありがとうございます。
      私の場合は記事内の分類だとインフラ系企業に勤めていたのですが、開発を進めるための協議やプロジェクトマネジメントが主な業務でした。
      実は転職した先の業界も大きく分類すればインフラ系企業(再エネ関係)で、事業開発を行う職種(便宜上営業職と呼んでます)についているため、本質的にはあまり変わっていないという認識です。
      お答えになっていますでしょうか?

      • ぼしこ より:

        そうなんですね。私の中では、インフラ系の企業は古い体質(建設業全体がそうかもしれませんが…)という印象がありますが、転職された会社の雰囲気はいかがでしょうか?

        • うみほたる うみほたる より:

          仰るとおり建設業全体がそうだと思います(逆にゼネコンがどうなのかは教えてほしいです)が、インフラ系企業は特に古い気がしますね。ただ、それも結構国の資本割合にもよると考えます。
          例えばJR各社は株式公開し、(全社かはわかりませんが)国の資本下にはありません。一方で国(財務省、国土交通省、経済産業省など)が株式の大部分を持っているタイプの企業は準公務員的なところがあり、仕事がお役所チックだったり、国の下請け感を感じる人もいると思います。
          転職した会社は外資ということもあり、非常に開放的に感じています。古い体質にいた私にとっては浦島太郎といった気分です。

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